あけましておめでとうございます

●2011年になりました。あけましておめでとうございます。


●ブログ更新が中野劇団の京都公演終了から止まっていますが、この間に中野劇団の大阪公演があり、そして年末のやみいち行動があり、それが昨日、終了しました。Twitterでつぶやくことで、まあこれでいいか、とつい思ってしまいがちだけど、ブログだけを読んでくれている知人も結構いるので、その人たちには何も伝わっていない。Twitterしている人は意外に少ない、と思っていないと。


●というわけで、やみいち行動「30歳のハローワーク」無事、終了しました。ご来場いただいたみなさま、今回も本当にありがとうございました。正月は、舞台をバラして打ち上げ、そのままブンピカで少しだけ寝て、昼過ぎに、作中で使用したエントリープラグをノコギリで解体、火にくべた。


●久々に会う顔なじみの人たち、思いがけない友人、以前から観にきて下さっている方と初めて話せたり、公演期間というものは当たり前だがいつもお祭りで、嬉しかったり悩んだり忙しい。そして今回は30回記念行動ということで、多くの豪華ゲストと(僕が絡んだのは駒田さんだけだが)舞台を一緒に踏むことができて、そのことがまたこの上なく嬉しかった。


●まだあの世界観から抜けきれていなくてぼーっとしている。あの、昆布と人類との最終決戦から、ってどんなんだ。早く常識の世界に戻らないと、やばい。5日から仕事始まるのに…
しかし今回は、ナカノ実験室くんという希有な役者、不思議な豊潤さと強力な磁場を備えた彼を中心に、結果として悪くない30回記念行動ではなかったか、と思います。少なくとも僕個人としては相当面白かった。舞台裏で文字通り何度も笑い転げていた。



●最終日、桶総帥が劇中で「即興はね、後悔しか残りませんよ」という台詞を吐いていた。なんていい言葉を吐くんだろう、と思った。ちょうど読んでいた「傾物語」にあったフレーズ「リアリティこそが敵で、戦う相手だ。そして、そんなものに勝てる奴はいない」。その瞬間には負けしか存在せず、基本的には50の後悔と49の間違いを手にして、顔を上げて前を見るしか無い。そうしていれば、1の奇跡が手に入ることがあるかもしれない。


●「稽古のときのあの面白さはどうしても超えられない」打ち上げでもしょっちゅう話された言葉。だが「もう一度」やろうと思ったらその瞬間に嘘になるから、仕方が無いことだ。本番を、稽古のように。そして稽古を、本番のように。


●自分の方法論がいろいろまともじゃない、ということに今回はっきりと気づくことができた。逆に言えばそれに気づけるくらいのまともさだけはかろうじて得たのかもしれない。


●ある武器を得れば、以前持っていた武器は失う、と思っていたし、今も思っている。そうじゃない、と言ってくれる人もいる。わからない。ただ、守りに入ってるだけではダメで、ずっと自分は守ってたなぁ、ということだけはうっすらと気づいた。


●そしてそれに気づかせてくれたのは、中野劇団「10分間2010」へ参加させていただいたことだった。稽古は楽しく、またとても刺激的で常に色々なことを考えさせられた。忙しい仕事の中でも毎週末そういうことができる、という事実が本当に、ありがたく、幸福だった。そして京都公演、2週間あいて大阪公演と長い期間の本番、とてもたくさんのお客さまに観ていただいた。吉田寮で、そしてin→dependent theatre 1stで仕込んだりバラしていること、またその舞台裏や楽屋にいる自分が不思議で仕方なかった。これはなんだろう?奇跡か?自分は確かに芝居ができているんだ、と再確認した。日常の仕事はそれはそれでかけがえがない。けれどできるだけいつも臨戦態勢にいたい、と強く思った。その幸福と充実感が、なにか確実にスイッチを入れてくれ、そしてそのスイッチが、中野劇団から戻り、やみいち稽古、そして本番中に至るまでずっと、続いていた。


●中野劇団の公演で嬉しかったことはものすごくたくさんあるが、その中でも卒業生、そして今担任している数人の生徒が観に来てくれたことはここに書いておこう。嬉しかった。


●やみいち最終日のために、ウクレレを久々に、5年ぶりくらいか、取り出してきて弾いた。相変わらず下手だったが、弾いているのは気持ちよかった。楽器は上手くないが好きだ。ただ、3時間くらい練習したのに「でたらめに弾いてても奇跡的に曲に合ってて、さすがですね!」とお客さんに言われてへこんだ。さすがって何。
あと、ピクミン(正確にはピクミンに感情移入している男)を演ってみたら、とてもピクミンをプレイしたくなってしまった。とうとう、Wiiを買ってしまうかもしれない…。ゲームには手を出すまいと思っているのに、クロノトリガーもまたやりたくなってるし…ダークサイドからの呼び声が…



●職場でも感じることだが、自分は35なんだということを強く意識するようになった。年長者ぽい立ち位置になる局面が増えてきているということです。もう少し人とちゃんとコミュニケーションを取れるようになりたい、と中二のように思っているが、まがいもなく35だ。やむを得ない。


●「ほぼ日手帳」の1月1日のページに「新年というのは、おもしろい日です。人々が最小単位の人数になって、その日を迎え、その日を過ごすんですよね。…じぶんという人間の、その年の最小単位が、正月に目に見えるようになるんですよね。」と書いてあって、いま洗濯したりこれを書いたりしながらしみじみ、最小単位、一人だなあ。


●最終日、京都は雪降り積もった。藤原さん、ナカノくんがブンピカ前に薄く光る巨大な雪だるまを作って、外国人が”Oh!”と言いながら写真を撮っていた。4時間かけたらしい。そして唐仁原くんも2時間かけ精巧なにゃんこ像を作っていた。確かに精巧だが、本番前に「あれ作ってもう疲れたから本番であまり突っ込みません」と言われたのにはまいった。実際本番中ブブゼラを渡したらしばらく無邪気に楽しそうに吹いてて、会話がとぎれて本気で焦った。

●2010年は、1年間どうもありがとうございました。
今年もどうぞよろしくお願いします。


2011年が、自分含め、みなさんにとってどうか良い年でありますよう。