[]『モンスター』
映画『モンスター』を観た。
内容についてはうまく言及できないが。
スタートして5分で、心を閉じよう、閉じようとしている自分がいてびっくり。
「生体防御システム作動させまーす」「はーい、シャッター閉まりまーす」みたいな感じで。
シャーリーズ・セロンの演技はすごかった。
彼女が言葉をひとこと発するごとに、
そして言葉をひとこと身体に受けるたびに、
頬の下からあごにかけての筋肉が、ぐにっ、ぐにっとゆがんでいく。
世界のゆがみすべてを、その場所で受け止めるみたいに。
(そして共演のクリスティーナ・リッチもそんな演技をしていた。『私は「うつ依存症」の女』ではそんなことはなかったように思う。シャーリーズ・セロンの影響を、役のセルビー同様、身体で丸ごと受け止めたという感じがする)
なんだかもう、とてもつらかった。痛さ120パーセント濃縮還元!だった。
あまりにも見事な共依存関係で、先がどうなっていくのか一目瞭然だった。
それを、ていねいに丹念に、描いていく。
数年前のオイラなら、思い切り感情移入していただろうなと思う。
『世界の中心で愛を叫んだけもの』を思い出した。セカチューじゃないよ、観てないけど。ハーラン・エリスンの原作SFの方です。
「彼らは知るはずだ――地獄が彼らとともにあることを、
そして、天国と呼ばれるものが事実存在することを、
そして、その天国の中には、そこからすべての狂気の流れ出す中心があることを。
そして、ひとたびその中心に入れば、そこに平和があることを。」
アイリーンは言う。「私はいい人なんだ」。
そう、それは「確かに正しい」と思う。
そしてヴィトゲンシュタイン先生の言うように、
幸福な人の世界と不幸な人の世界とは、別の世界なんだ。
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涼しくなってきましたね。
秋だ秋。
阪神が優勝しましたね。
梅田駅地下ではさぞ熱くおどり狂っていたんやろな。
道頓堀はどうなっているんでしょうか。
自転車での帰り道、川風がなんか頼りなくなってきて、いい感じです。