詰め将棋はいつか震えるためのトレーニングだ

少し前に情熱大陸で佐藤康光氏が取り上げられていてすげえ格好良かったり、
ハチワンダイバー」という将棋マンガが「このマンガがすごい1位」になったり、
京都でご近所さんになったNくんと詩人Kさんが将棋を指していると聞いたり。
よく読む梅田望夫さんのブログでしょっちゅう将棋の話がされていたりして。

なんとなく将棋に縁がある感じになっていたので、久々に詰め将棋を解いてみた。木の駒と盤は、ダイソーで売っていた。当たり前だが、100円ずつ。本当になんでも売ってるよ、ダイソーは。
さらにNHK「プロフェッショナル」で、昔放送された羽生さんの回が再放送されていたのを観た。

去年、職場のフリースクールの修学旅行で伊勢に行った。その夜に生徒とゲームをしていて、そのうちRくんと将棋を指すことになった。
何の気なしに始めた十数年ぶりの将棋は、3時間近くのものすごい死闘になった。飛車角が何度も手元からいなくなり、また戻ってきた。お互いミスをし、そのミスをまた見逃さず、叩き潰し、叩き潰された。ミスをした瞬間、気づき、何度も嫌な汗が背中を伝った。気がつくと他の生徒はほとんど寝ていて、二人だけで暗い部屋の片隅で、盤を見つめていた。

旅行ではパルケエスパーニャや鳥羽水族館とか色々行ったけれど、一番印象に残っているのはあの将棋だった。勝負は、Rくんが他の生徒のヤジで少し集中力を欠いてしまったので、なんとか僅差で勝てたけど、力は完全に互角だった。「互角な相手が自分の未知の力を引き出しあう」そんな感じ、大げさに言えば、というか、むしろすげえ大げさに言いたい、死闘を繰り広げた自分たちが誇らしい、感じ。

終わったときに初めて現実世界が戻ってくるような、全力を出し切って「戦う」感覚を久々に味わった。充実したなあ。廊下の自販機の前で健闘を称え合って握手してしまったくらい。

一手指す瞬間に、確信と不安と後戻りのできなさとで心が震える感じ。それを思い出したのは、羽生さんが勝負をかける時に手の震えが止まらなくなるのを観てだった。

図書館で子供向けの将棋の本を借りた。一般向けの本はいまだに難しい。
将棋の上達の方法が書いてあって、どの本にも共通するのは「詰め将棋を解くこと」だった。詰め将棋はおじいちゃんが老後の楽しみに縁側でやるもの、みたいなイメージしかなかった。羽生さんも、詰め将棋の本をカバンに携帯していたのだ。スポーツ選手の筋トレみたいなものだと言っていた。

強くなる方法
1、詰め将棋を解く 2、定跡を覚える 3、実戦で鍛える

レーニングの方法がはっきりしていると、取り組みやすいなあ。もう一度勉強してみよう。

とか言ってる場合じゃないのだった。
明日までに佛大のレポートを二つ仕上げないといけない…。



ところで正直者の会を昨日観て来た。
予定を変更して、今日もう一度観に行くことにした。そんな暇はないのだが、仕方ない(何が)。



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(2007/03/19)
柴田 ヨクサル

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