ユリイカ百貨店「Chocolate horse」

夏の暑さですね。

そんな中、喉風邪がなかなか治らない。今朝起きたら腰が痛い。休みを前にして次々と故障する身体。よくできてる、とも言えるが・・・ううむ。

友人が、タイムリーに野口春哉「風邪の効用」を日記で書いていたので、思い立って購入。風邪の理由がほしいのか・・・。

そして断食で体調を整えようと思い立つ。
そして昼ごはんを抜く。しかしコンビニによったら菓子パンを売っていた。
思わず食べたらおいしくて、2つも食べてしまう。
断食、あっけなく失敗、
体調、悪化。

風邪の効用 (ちくま文庫)風邪の効用 (ちくま文庫)
(2003/02)
野口 晴哉

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日曜日、ユリイカ百貨店を、初めて観た。「Chocolate horse」。
まさしく、チョコレートの馬走る、
最強のファンタジー降臨でした。

綿菓子みたいなメルヘンで、台詞がとてもお洒落でかっこよい、言い換えれば非常に恥ずかしい。そんなかっこよすぎる台詞たちをガチで言う役者たちは、相当レベルが高くないとつらいと思うのだけれど、鉄壁の役者陣(田中遊、山口吉右衛門、駒田大輔)だった。

ドリームは、ドリーム・チームでないと描けないんやな、と。(←うまい)

ネイティブの役者さんが男女一人ずつ参加していて、芝居の冒頭はネイティブの男(この人もよかった)が、自分の幼い頃を語りだすところから始まる。
物語は彼の母親の若い頃に戻る。彼女(舞台には登場しない)を、肉屋、人間になった妖精、怪盗、の3人の男が争いあうお話。だいたい「人間になった妖精」という設定からしてコンデンスミルクみたいに甘いのに、それを完璧に演じる駒田氏はどれだけ日本人離れしているのか。だいたい足が長すぎる。

ラスト近く、怪盗が、弟子志望の男の子に「お前名前なんて言うんだ」「えーと・・・ルパン。」「バカ!ちゃんと言え」「ええっと、じゃあね、・・・僕の名前は」(暗転)の流れに、かなりぐっと来てしまった。終演後にパラマウントのあの山の映像が出てきてもおかしくない・・・そんな「読後感」。

山口さんの無骨で実直な肉屋に、レイモンド・カーヴァーの「a small, good thing(ささやかだけど、役に立つこと)」のパン屋を思い出してしまった。山口さんからした生肉のにおい、毎日食べ物を作り続けているにおいが、アイシングで毎日手をべとべとにしているあのパン屋を、思い出させた。

それと「不思議の海のナディア」を思い出したのはたぶんパリの万国博覧会的イメージがあったからだろうな。世界のエネルギーが眩しすぎてわくわくする感じが。
その後会った友人の子どもが、偶然ナディアの絵本を読んでいた。

それにしても、もっと前から見ておけばよかったな。

やみいちにも出ていた吉田恵太くんが、以前ユリイカに出ていた。そう考えると、美男ぞろいだ(ユリイカが)。ユリイカ百貨店は、たみおさんという女性が作っている。こんな「やさしい」芝居を、この京都で・・・作れるのかと。芝居って、本当に・・・と、故水野晴郎の如く。
芝居で、こんなにやさしくて泣ける、真っ向ファンタジーを作っていいんだと。

「お前は何にでも驚きすぎ」と言われつづけて来たが、もう別にそうなんだからしょうがないよな、と最近あきらめがついてきた。それにそんなに驚かなかったことは特に話したり書いたりしないので、自然とそうなってしまうものではないか。
後輩の友井田くんが復活して頑張っていて嬉しかった。


Carver's dozen―レイモンド・カーヴァー傑作選Carver's dozen―レイモンド・カーヴァー傑作選
(1997/10)
レイモンド カーヴァー

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明日は、風邪が悪化していなければ、仕事(高校の遠足)の下見で嵐山観光に行ってきます。GW中の唯一の旅行らしい外出。近いけど。


ナポリタンはバターこてこてにかぎります
かもめ食堂の人のレシピで)

ナポリタン